PERは、企業の利益を基準として株式の価値を表す指標です。具体的に言うと、現在の株価を1株 利益(ESP)で割ったもので、株価が1株利益の何倍まで買われているかを示すものです。主に株価 の割安性を判断する基準に使います。 PERの求めかたは、まず企業の純利益を総株数で割ります。これにより企業の1株利益が出てきま すので、現在の株価を1株利益で割ります。これでPERが出てきます。 純利益÷総株数=1株あたりの純利益(ESP) 株価÷1株あたりの純利益=PER 【PERの判断基準】 PERが高ければ、利益に比べ株価が割高になります。逆に低ければ株価が割安になります。例えば、 A社株価1000円・1株利益100円の場合、PER10倍となります。また、B社株価1000円・1株利益 50円の場合のPER20倍となります。どちらが割安かといえば、PER10倍のA社になります。 PER が低い、高いだからどうなの?という答えは次の2点になります。
同業他社と比較する
市場、業種によって平均PERは変わってきます。例えば、自動車産業あれば平均PER16~18倍 ですが、新興市場のIT企業なら50倍~100倍のところもあります。なぜ企業、業種によって平均PER に違いがでるかといえば、IT企業は経営の仕方によって爆発的に成長する可能性があるわけですし、 まだ若い企業が多いので、これからを期待する成長産業という評価のもとで買われているからです。 比べて、自動車産業の企業は、外部環境(景気など)によって業績の変動が激しいですし、IT企業の ように急成長する可能性は低いだろうという評価のもとで買われているからです。 このようにPERは業種によって平均PERというものがあります。PERで割安か割高かを判断するに は、基本的に同業他社で比べたほうがいいでしょう。
当期の基準で
株価は将来を織り込んで上下します。例にだすと、A社という会社があり、総株式数10株・前期純 利益1000円・株価100円・1株利益10円の場合、PER10倍になりますが、(純利益を総株数で割 ると1株利益が出ます。)PERを考える基準は、将来=当期純利益になりますので、予想当期純利益 1500円・株価100円・1株利益15円の場合PER6.66倍になります。この会社の業種の平均PER が10倍であった場合、株価150円までは買われて行くだろうというのがPERを基準とした投資判断で す。当然逆もあり、純利益が500円になった場合は株価は50円付近に落ち着くだろうという考えかた です。 先ほどIT産業のPER平均が高いと言いましたが、純利益が増えればPERが低くなる、将来の成長 を期待した投資ということです。 当期の利益予想などは四季報などに載っていますから、確認してみてください。ただしあくまで予想 なので、自分自身のチェックも怠らないようにしてください。おもに決算が集中する、9月や3月に、業績 の修正をしたり、来期の予想を発表します。 PERを基準とした場合の投資判断はこの2点に尽きると思いますが、PERのみを基準とした投資を行 うことは危険ですので、いろいろな指標をもとにして総合的に判断してください。
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